東寺 

「京の冬の旅」で特別拝観を行っている東寺へ行ってきました。

恥ずかしながら、

東寺を東門から南門へ、逆に南門から東門へと通り抜けたことはありましたが、

拝観をさせていただいたのは初めてでした。

 

「真言宗総本山 教王護国寺 東寺」

平安遷都とともに建立された国立の寺院で、

嵯峨天皇が唐から帰国した弘法大師空海に託したお寺です。

 

建物の大きさに圧倒されながら、まずは金堂へ・・。

 

 

東寺の本堂。

一度焼失し、現在の建物は桃山時代に建てられたものだそうです。

一歩足を踏み入れると、凛とした空気の中に薬師三尊像。

薬師如来の両脇の、日光菩薩・月光菩薩の立ち姿に目を奪われました。

そして薬師如来の台座の周囲に立つ十二神将は

台座に座る薬師如来とは対照的な荒々しさを感じさせる姿表情で目を引きました。

 

そして、講堂へ・・。

 

 

こちらの講堂も一度焼失しました。

土一揆による戦火での焼失だそうです。

現在の建物は室町時代に建てられたものだそうです。

講堂の中は、金堂とは違う空気が満ちておりました。

この広い講堂に所狭した立ち並ぶ仏像。

仏像は真っ直ぐな目で前を見つめる大日如来を中心に安置された仏像は

密教の教えを表現する立体曼荼羅となっております。

 

そして、東寺の象徴とされている五重塔へ・・。

 

 

五重塔は雷火等によって消失すること四回。

その都度再建されて、現在の五代目の塔は江戸時代に立てられたものだそうです。

内部は外観からは想像できなかったのですが、

とても多くの色彩で模様が描かれていました。

「できた当初はどれだけ鮮やかで美しかったことか・・」と思いました。

そして、心柱を大日如来に見立て四仏と八大菩薩が安置されています。

内部を見終わり外に出ると塔のすぐ横に寄り添うような配管。

ガイドの方にお話を聞くと、防火設備とのこと。

「外部からはこの設備が守り、内部は龍が守っております。」と・・。

確かに内部の柱には龍が描かれておりました。

 


 そうそう、内部には約55メートルの塔の中心を貫く心柱の根元を見られるように窓がつけられていました。

 ガイドさんに促され覗いてみると

 五重のそれぞれの層はまっすぐに揃っており、真下からグッと見上げると迫力がありました。

 この五重塔、四度も消失しているけれど、地震で倒壊した記録は見当たらないそうです。

 

 

内部の仏像や色彩の美しさを見せることだけが特別拝観の意味ではないようです。

約55メートルの塔の中心を貫く心柱の根元を見られるようにと窓がついておりました。

ガイドさんに促され覗いてみると、根元は地中に埋まっているわけではなく

礎石の上にのっているだけ!

え?これで大丈夫?と思えるのですが、コレが倒れない秘訣なんだとか!

五重塔の各層は独立していて、地震や大風による揺れがおこると

上下の層がそれぞれ左右に交互に動き横倒しになるのを防ぐ。

そして、更に大きな揺れが加わると、

心柱が角層のズレが大きくならないようにと閂の役割を果たす。

という、この耐震構造は、現在のスカイツリーにも応用されているそうです。

 

 

 

五重塔の外観は大宮通九条通を車で走っていても見られますが

内部を見学出来るのはこうした特別拝観が行われている時だけです。

(金堂、講堂、は通年で公開されています。)

 

 

帰りには、今まで一度も通ったことのなかった北門へ・・。

ここからも五重塔は見えていました。

「京の冬の旅」での公開は3月18日までですが、

春期、秋期にも特別公開の予定があるようですよ!