大徳寺納豆の由来
『納豆』と言うと、皆さん、なにを思い浮かべられるでしょうか?糸引納豆、または甘納豆を思いつかれる方もおられると思いますが、私どもの大徳寺納豆はそれらのものと違うものになります。お味噌やお醤油の種類に近いもので、醸造製品の部類に入ります。味としては、赤味噌を香ばしくしたような感じでしょうか・・・。
お寺さんの保存食として連綿と伝えられてきた伝統食で、今でも大徳寺で作り続けられています。
大徳寺納豆は、その昔、唐(今の中国)より日本に伝えられたました。 諸説ございますが、鑑真和上が伝えたとも聞き及んでおります。
当時は『し』とか『くき』と言ったそうです。その伝えられた物を後に大徳寺第47世一休宗純禅師(一般的にはとんちの一休さんなどで有名ですが……)が大徳寺に伝え遺されたということです。このことから、唐納豆(からなっとう)、または寺納豆という風にも呼ばれています。
今でも、中華料理で使われている食材&調味料で『豆鼓(トウチ)』というものがありますが、それも源流をたどっていけば同じところにたどり着きます。
大徳寺納豆の作り方
大徳寺納豆は、作る時期が限られています。
だいたい夏の間に一年分を作らなければなりませんが、私どもでは5月後半辺りから8月一杯までが仕込みの期間です。乾燥まで含めますと10月辺りまでの作業です。
大豆を煮る
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煮た大豆にはったい粉をまぶして、室(むろ)にいれ麹菌を自然発酵させる
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発酵したものを大きな桶にいれて、ここに塩水を入れ混ぜ合わせる
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なじんだ頃に天日干しに外へと出す
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一日に何度となくかき混ぜ熟成させつつ、二ヶ月前後かけて自然乾燥させる
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乾燥すると固まってくるので、それを一粒ずつ手でわけ、もう一度天日干ししてできあがり
大徳寺納豆うんちく
『大徳寺納豆』という名前の通り古来より大徳寺に伝わっておりますが、他にも天竜寺納豆もありましたし、妙心寺などにも伝わっていたようです。静岡の浜名湖のあたりに伝わります浜納豆も、同じ種類になりますし、他にも各地のお寺さんに伝わっているのを聞いたことがあります。一般的にも一昔前には京都などのご家庭でもつくって食しておられたようです。
また、大徳寺のような禅寺に伝わっている理由ですが、禅寺では食事といえば精進料理ということになり肉や魚を食せないこともあり、どうしてもタンパク源が不足しがちになります。
それを補うためには植物性のタンパク質でもっとも重宝なのが『大豆』ということになります。それに『大麦』というとても栄養価の高いものも使い、またどうしても人間の体に必要な『塩』というものを足して、麹菌による発酵を元にした醸造によって得られる旨味のあるものにしている大徳寺納豆は、非常にお寺さんに適したものだったのではないでしょうか。そして、それが現代では発酵食品として非常に注目されているところでもあります。
作り方においても、夏の暑い時期に天日干しをして桶などに入ったもろみを一日に何回となくかき混ぜたり、湿度や温度を上げた『室(むろ)』にはいっての苦労の多い作業などが、修行される雲水さん(修行僧さんです)にとってはとても良い(!)修行になったのではないでしょうか?
以上などの点から、禅寺にこんなにマッチした食物も少ないのではないかと思われるくらいすばらしいものだと感じます。そこに注目されて、またご自身も非常にその風味や味を好まれたのが一休さんで、それを大徳寺に遺され今に伝わっているのだと思います。
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